人間学部

人間学部

Faculty of Human Studies
※2024年度以降人間学部学生募集停止
(2023年度以降は入学者選抜を実施しません)

人間学部 教員紹介

山口 隆介(YAMAGUCHI Ryusuke)

山口隆介
講師 修士


Message
哲学は、人間いかに生きていくかを問い直すものです。この世には生きていない人は存在しないので、いかに生きるかというのはすべての人にとって重大な問題です。古代ではそのような問いを真剣に問うゆとりのある人は、たくさんの奴隷を抱えた自由人だけであり、それ以後も教育を受ける機会とそれを生かす機会に恵まれた一部の人間だけでした。しかし、現代日本においては多くの人が、そのような問題を真剣に考える機会に恵まれていながら、正しく考えることを知らないまま、悩みだけが深まっていくことが多いように思います。いかに生きるかという問いに取りつかれ、なおかつ正しく考えるすべが見つからないという時、指針を見出す手助けができるなら幸いです。

専門分野

中世キリスト教哲学

所属学会

中世哲学会
西洋中世学会
宗教倫理学会
宗教哲学会
日本カトリック神学会
日本リメディアル教育学会
日本儒教学会

主な担当科目

哲学

研究テーマ

西洋中世のキリスト教哲学
特にトマス・アクィナスの思想

研究内容

トマス・アクィナスの主著『神学大全』(Summa Theologiae)および『神学綱要』(Compendium Theologiae)の読解を中心にしたキリスト教思想の捉え直し。
現時点での主たる関心は、現代に必要とされる神学的思索に、神学のはしため(ancilla theologiae) として絶えず再生する永遠の哲学(philosophia perennis)としてトマス思想および中世キリスト教哲学を活用すること。

研究内容キーワード

神 自然本性 ハビトゥス 徳 親和性 信仰 わざ 祈り 正義とあわれみ キリストの人性 マリア論 意味と物質 身体論 キリストのへりくだり 聖霊 愛

主な著書・論文等

学術論文

1トマス・アクィナスの信仰概念単著2003年中世哲学会『中世思想研究』第45号 pp.122-132
2トマス・アクィナスの賢慮概念単著2003年-2009年Societas Philosophiae Doshisha『同志社哲学年報』第26号 pp.15-28
3トマス・アクィナスの「正義」(iustitia)概念単著2005年聖泉大学紀要『聖泉論叢』第13号 pp.97-116
4トマス・アクィナス『神学鋼要』の概要単著2010年聖泉大学紀要『聖泉論叢』第18号 pp.103-116
5トマス・アクィナスの創造論―『神学鋼要』抄訳と註解単著2010年聖泉大学紀要『聖泉論叢』第18号 pp.117-129
6留学生のニーズとレベルに合わせた日本語教材の開発(その4)共著2010年聖泉大学紀要委員会『聖泉論叢』第18号 pp.131-140
7トマス・アクィナス『神学鋼要』におけるキリスト論―『神学綱要』抄訳と註解―単著2011年聖泉大学紀要『聖泉論叢』第19号 pp.49-61
8トマス・アクィナス『神学綱要』抄訳(第2部第9章および第10章)単著2012年聖泉大学紀要『聖泉論叢』20号 p.25-36
9トマス・アクィナス『神学綱要』におけるキリストの受難と死(『神学綱要』抄訳)単著2012年聖泉大学紀要『聖泉論叢』20号 p.37-49
10トマス・アクィナスの「祈り」概念(査読あり)単著2013年中世哲学会編『中世思想研究』55号 p.48-63
11トマス・アクィナス『神学綱要』におけるペルソナ論(『神学綱要』抄訳)単著2013年聖泉大学紀要『聖泉論叢』21号 p.65-77
12「アリストテリコ・トマス哲学」と科学―Iosephus Gredt ‘Elementa Philosophiae Aristotelico-Thomisticae’におけるphilosophia naturalis―単著2014年日本カトリック神学会編『日本カトリック神学会誌』25号 p.49-65
13日本におけるカトリック理解の歴史:MEJ-8669「カトリック」(昭和27年6月 文部省宗務課)論攷単著2015年聖泉大学紀要『聖泉論叢』23号 p.103-118
14至福と隣人単著2016年宗教倫理学会『宗教と倫理』16号 p.19-32
15トマス・アクィナス『カテナ・アウレア』抄訳:真福八端単著2016年聖泉大学紀要『聖泉論叢』24号 p.65-81
16トマス・アクィナス『マタイ福音書註解』抄訳:山上の垂訓冒頭7つの至福の箇所単著2016年聖泉大学紀要『聖泉論叢』24号 p.83-105
17彦根カトリック教会のオーラルヒストリー単著2017年聖泉大学紀要『聖泉論叢』25号 p.93-96
18滋賀国際映画祭論 ―まつり・映画祭・PBL の視点から―共著2019年聖泉大学紀要『聖泉論叢』26号 p.13-31
19夢野久作『ドグラ・マグラ』「絶対探偵小説 脳髄は物を考える処に非ず」解釈ノート:脳髄は物を考える処でもある単著2019年聖泉大学紀要『聖泉論叢』26号 p.33-44
20チェスタトン『ブラウン神父』に見るキリスト教哲学(前半)単著2020年聖泉大学紀要『聖泉論叢』27号 p.123-140
21チェスタトン『ブラウン神父』に見るキリスト教哲学(後半)単著2020年聖泉大学紀要『聖泉論叢』27号 p.105-122
22トマス・アクィナス『聖書の勧めと区分』における「ソロモンの書」理解 ―伝統との一致と独自の前進―単著2021年3月『聖泉論叢』第28号 p.149-164
23トマス・アクィナスのvanitas概念単著2022年3月『聖泉論叢』第29号 p.131-140
24「世界史」に哲学は寄与しうるか単著2022年3月『聖泉論叢』第28号 p.123-130
25グルテンフリーのホスチアをどう考えるか ─トマス・アクィナスの議論に基づいて─単著2022年9月日本カトリック神学会『日本カトリック神学会誌』33号 p.157-169
26トマス・アクィナスにおける7つの「賜物」と「至福」単著2022年12月宗教倫理学会『宗教と倫理』22号 p.43-55
27トマス・アクィナス『神学大全』におけるvulgusの用例単著2023年3月聖泉大学紀要『聖泉論叢』30号 p.111-122
28現代文化論序説単著2023年3月聖泉大学紀要『聖泉論叢』30号 p.111-122

その他

(学会発表)
1グルテンフリーのホスチアは認められるか??トマス・アクィナスの議論に基づいて単独2021年9月日本カトリック神学会第33回研究大会 東京都品川区(清泉女子大学キャンパス)
2トマス・アクィナスにおける神の無限性単独2021年11月中世哲学会第70回研究大会 Zoom発表
(翻訳)
1トマス・アクィナス『神学提要』(知泉学術叢書5)2018年知泉書館