看護学部長 安孫子尚子


看護学部は2011年に開設し、これまでの卒業生は662名となり、その多くは滋賀県内の医療施設等で看護師または保健師として活躍しています。

4年間の学部教育をとおして、学生は看護職として必要な多面的な視野で対象となる人の全体像を理解すること、多様化する社会の変化に対応できるよう創造的に思考すること、多職種との協働や連携することを段階的に学びます。

看護職の選択肢も幅広く、学部教育での看護師、保健師(選択制)、学部卒業後に開かれている別科助産専攻への進学による助産師の資格を取得することができます。就職後にはキャリア形成を行う大学院看護学研究科への進学、看護学部キャリアアップセンターによる卒業生へのサポートも行っております。

2022年度からは、災害看護、防災に関する教育の充実を図り、滋賀県内の看護系大学では防災士資格を取得できる唯一の大学となりました。学生の時から防災士の資格をいかして地域で活動し、卒業後は災害時に強い看護師・防災士として、社会に貢献できる人間力を備える学生の育成を目指しております。

看護師だけでなく、保健師、助産師の資格がめざせる!

保健師

看護師と同時に在学中に保健師資格の取得をめざせるカリキュラムを整備しています。

本学の保健師養成課程の定員(30名)は近隣の私立大学の中でも恵まれた環境にあり、保健師資格取得者を多く輩出しています。

また、保健師資格を取得すれば、所定の手続きを経るだけで養護教諭二種免許状及び第一種衛生管理者の資格も取得でき、キャリア形成の選択肢が広がります。

助産師

本学は別科助産専攻(1年課程・入学定員10名)を設置しており、4年間の学部教育の後に別科に進学することで助産師資格をめざすことができます。学部在学中の学業成績が一定以上あれば優先して別科助産専攻に進学できる学内枠(最大5名)もあります。

看護学部では、助産師養成課程進学希望者に対して手厚い受験対策も行っているほか、学部授業時に別科助産専攻の学生が行う授業や学生間の交流があるなど、助産師養成課程を持つ大学ならではの取組が充実しています。

防災士資格取得がめざせ、防災・災害に強い看護師をめざせる

カリキュラムには「防災論」「災害看護論」など防災に関する学びが充実しており、災害に関する意識を高め、災害時には地域で暮らす人々の命を守り、安全・安心な医療を提供できる力や災害リスク低減のための知識や技術を習得します。

また、必修科目である「防災論」は防災士受験資格に必要な講座に該当し、防災士資格取得試験に合格し、所定の手続きを経れば最短で1年次に防災士資格を取得することができます。

臨地実習は滋賀県内の施設で実施

臨地実習を行う実習施設は大学近隣の施設を中心に「すべて滋賀県内」にあり、実習に集中できる環境が整っています。

滋賀県は、都道府県別の平均寿命が日本一(※)と言われていますが、その一つの要因に健康づくりの組織体制が整っていることが挙げられます。臨地実習では、地域住民の方への健康づくりの実際を学び、高度な医療を提供する病院実習などを通して、人々の健康を支えるための看護について考えていきます。

実習施設によってはスクールバスで送迎するなど、学生が実習に集中できる環境を整えています。

(※)「令和2年都道府県別生命表の概況」(令和4年12月厚生労働省)より

3種類の独自奨学金(給付型)により頑張る学生を全力サポート!

特別奨学金

特別奨学金A特別奨学金B
対象者一般選抜(A日程・B日程)の成績上位者4名学校推薦型選抜・公募制(A日程)の成績上位者4名
給付額年間105万円(授業料全額免除)年間52.5万円(授業料半額免除)
期間最長4年間
※毎年更新。入学後の成績不振等により更新不可の場合あり
最長4年間
※毎年更新。入学後の成績不振等により更新不可の場合あり
申請条件
  1. 高等学校を2024年3月に卒業見込みの者
  2. 高等学校在学中の成績が優秀であるもの
    ※全体の学習成績の状況が概ね3.8以上の者
  1. 高等学校を2024年3月に卒業見込みの者
  2. 高等学校在学中の成績が優秀であるもの
    ※全体の学習成績の状況が概ね3.8以上の者

成績優秀者特別奨学金

対象者各学年の成績上位者6名
給付額年間52.5万円(授業料半額免除)
期間1年間
※成績上位者であった学年の次の学年の学費を免除
その他
入学した入試区分に関係なく給付者を決定

カリキュラムの特色

1.キャリア教育Ⅰ~Ⅳ

大学生・社会人として必要な社会人基礎力である、前に踏み出す力(アクション)、考え抜く力(シンキング)、チームで働く力(チームワーク)の能力を、段階をおって学べるプログラムとしています。
この科目は4年間を通して科学的思考力およびコミュニケーション力を高め、卒業時には自らが考え判断し行動できるような看護師として必要なキャリア教育になっています。

2.家族論と家族看護論

多様化する家族形態の変化や社会に対応できる医療職を目指し、個人・家族・集団・地域の考え方を基盤とした科目を人間心理学科の教員と協働して構成しています。
また、ジェンダーやマイノリティーの人々などをも含めた対象理解のために、基礎分野で「家族論」、4年次に「家族看護論」を配置し、看護の対象である人々の理解を深めていきます。

3.講義・演習・実習・講義の学びのサイクル

臨床判断能力を育成するために、専門基礎分野の科目を基盤として2年前期の基礎看護学領域の科目「看護過程とヘルスアセスメント」の単位数を増やし、6月に「解剖学演習」を取り入れ、人体を立体的に捉えながらフィジカルアセスメントの講義・演習を組み立てました。
9月の臨地実習ではフィジカルアセスメント」、後期に「看護過程論」の講義、2月の臨地実習では「看護過程」の展開実習、4年次には「生活行動から見た人体のしくみ」の科目を設け、臨床判断能力の基礎を強化する学びのサイクルとしています。

4.防災論・災害看護論

日ごろから災害に関する意識を高め、災害時には地域で暮らす人々の命を守り、安全と安心した医療を提供できる力や災害リスクの低減に努めるための知識や技術をもつための防災・災害に関する科目を新設しています。
地域特性に合わせた互助に対する意識を高めるために、基礎分野に1~4年次学生が履修できる学年横断型科目「防災論」を配置し、学年を越えて協働する力を身につけます。
4年次には「災害看護論」の講義と実習病院のDMATによる災害看護実習があります。

5.専門性を高める帰納的学習科目

学年が進むにつれて、自分の興味・関心を深め、将来の専門性を意識し、卒業時には医療職としての自覚をもち、社会に円滑に移行できる力を養うこと・実習で学んだ内容を、もう一度深めるための帰納的学習科目です。看護専門分野に1~4年次に多くの選択科目を設けています。
これらの科目は、学生たちが興味・関心を持った時期に履修でき、配置されている学年以降ならいつでも履修できるような学年を越えて学べる科目配置にしています。