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日本人間性心理学会第33回大会に参加しました

人間学部
平成26年10月11日(土)~13日(祝)の間、南山大学にて開催された日本人間性心理学会第33回大会に、本学の押岡大覚講師が参加しました。

[日本人間性心理学会に参加して] 押岡 大覚 講師
今年度も、多くの先生方による研究発表及び自主企画があり、一参加者としては、身体がいくつあっても足りない程の充実した学会となりました。特に、12日の夕方から開催された自主企画「にほんごフォーカシングからにほんのフォーカシングを考える(企画:岡村心平氏【臨床心理士:関西大学大学院】・前出経弥氏【臨床心理士:メンタルクリニッククラルス】)」には、指定討論者の一人としてお招きいただくという貴重な機会を得ました。
企画者お二人のご発表を受けた上での私の連想を集約すると、次の3点にまとめられます。
1点目は、「状況や文脈において用いる表現を変化させることが黙認されている日本語のユニークさ」です。表舞台では「~先生」と呼び合っていても、裏方では「~さん」や“ちゃん付け”で呼び合っていることはよくある話であり、日本語あるいは日本文化はこのような“遊び”を暗に許容しているのだろうという点です。2点目は、「響きが同じでも意味が異なる言葉が多く、また、同時にそれらの言葉はどこか意味通ずる部分が多いという日本語のユニークさ」についてです。例えば、痛みを表現しようと「い・た・い」と打っても、変換候補には「遺体」や「異体」等、痛みと関連のありそうな言葉が挙がってくることは事実ありますし、気分を表そうと「う・つ」を入れれば「打つ」も候補に挙がり、「滅多打ちによる鬱(うつ)」を連想させます。また、お笑いというシステムに係る話から、治療者・患者が母国語としての日本語の多義性や多面性を知り、心理治療関係において言葉で“遊ぶ”ことの意義を指摘しました。3点目は、「技法という型に係る諸問題」についての雑感をお話しさせていただきました。
よく練られた企画者お二人からご発表で、「にほんごフォーカシング」の今後の展開がますます楽しみになりました。

写真(左)=前出氏 写真(中央)=岡村氏 写真(右)=押岡講師
【写真(左)=前出氏 写真(中央)=岡村氏 写真(右)=押岡講師】