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“人はなぜ「いじめ」るのだろう” いじめ問題を考えるワークショップを開催しました

2012年度

2月6日(水)13時から、健康運動心理専攻とカウンセリングセンターが共同で企画した、いじめをテーマとするワークショップを開催しました。 試験期間中ということもあり学生たちもこころの余裕がなかったはずですが、関心の高いテーマであったようで18人の学生が集まってくれました。
話題提供者は3人。まず谷口講師がお話しされました。先生は指導学生と一緒に、文科省等におけるいじめ定義に従った架空のいじめ事例を作成して中学生と学校教師に見せたのですが、その事例をいじめと認識しなかった人数が少なからずいるというデータを示してくれました。いじめ発生現場である学校において、同じ事象をみても共通認識を持つのは難しいというお話でした(「いじめ定義について」)。
次に新美准教授が、いじめが徐々に深刻化していくプロセスを示されました。いじめが被害者を孤立させてから無力化していき、最後には主体性や時間的展望さえ奪っていくという話であり、いじめが損なうものは心というよりもたましいと表現したほうがいいのではと提言されました(「いじめが損なうもの」)。
最後に有山教授は、悪いと分かっていても人はなぜいじめてしまうのかと問題提起をされました。それに対する回答として、人間が外界と交流するのは身体を通じてであるにもかかわらず、現代の教育では身体を通した表現技法を学ぶ機会がかなり少ないこと、それゆえ知的にも倫理的にも理解していることが身体的に表現できないのではないかというお話しをされました(「いじめは身体にあり」)。
先生のお話のあと学生たちには3つのグループに分かれてもらい、この日のお話についての感想や意見を交換してもらいました。自らの中学時代の経験を振り返る学生もいれば、架空のいじめ事例をいじめと認識できない理由について考察する学生もいました。深刻なテーマであるため賑やかな雰囲気とは言い難かったですが、ふだんあまり発言しない学生も積極的に意見表明していたのが印象的でした。

3グループに分かれて意見交換をしました

3グループに分かれて意見交換をしました

 

ワークショップの様子

ワークショップの様子

 

積極的に意見交換

積極的な意見交換