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+シリーズ キャリアデザイン 第1回 大学4年間で人生の青写真を描こう〜人間学部のキャリアデザイン

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Twenty years from now you will be more disappointed by the things you didn’t 
do than by the ones you did.  So throw off the bowlines away from the safe
 harbor.  Catch the trade winds in your sails. Explore. Dream. Discover.
(20年後、君は「やったこと」よりも「やらなかったこと」に後悔するだろう。さあ、もやいを放て!
安全な港から船を出せ!帆に風をとらえろ。探検せよ。夢を抱け。発見せよ!)

 これは『トムソーヤの冒険』を書いたマーク・トウェインの言葉である。人生は長い船旅のようなものだ。みなさんはこれまで20年前後の人生を歩んできたが、これから3倍以上の旅を続けることになる。好むと好まざるとに関わらず、いつまでも港に停留していることはできないわけで、いずれ航海に出なければならない。ほとんどの場合、人生は自分が思った通りになんてならない。だからこそ、海図が必要であり、航海計画も必要だ。

 社会を見通す力をつけ、人生の当初計画を作る場所、それが大学である。人間学部に入学したら、これまで積み上げてきたものの上に学問と経験を積み上げ、いよいよ人生の海に船出する準備をしなければならない。人間学部は1年生から4年間かけて人生行路計画を作るサポートをしている。

 あなたは人間学部に入学してから卒業するまでの間に5つの授業の中で学びと体験を積み重ねながら、少しずつ自分がどういう人生行路を選ぶかの見通しを描く。このシリーズでは、5つの授業を具体的に紹介するが、ここではその概略をみなさんにお伝えすることにしよう。


(1)アカデミックライティング(1年次)
 この授業は週2回行われる。週の前半の授業では論理的に物を考えるトレーニングをし、後半では文章を書く力をつけるためのトレーニングをする。論理的思考力を高めるトレーニングでは、複雑な文章を読みほどいたり、数式を理解したりする。関係性を考えながら順序立てたり、事実と解釈を分けたりしながら文章を読みほどくことで難しい文章も実は簡単になったりすることを体験的に学ぶことになる。また、文章を書く力のトレーニングでは、わかりにくい文章の問題点を探し出し、修正をする作業などを通じて書く力を鍛える。ここで学ぶことは大学での学びを支える基盤になるので、しっかりと学ぼう!

(2)基礎ゼミ(2年次)
 この授業では、学部内の先生方がどんな研究をしているか、3年生以降のゼミではどんなことを学ぶのかを体験的に理解する。あなたは2年生の1年間をかけて(自分で選んだ)6名の先生のゼミを体験し、2年生の最後の授業で3年生以降に自分が所属するゼミを選ぶ。大学での学びの充実は、ゼミ活動の充実度に比例すると言っても良い。この基礎ゼミで体験を通して考え、大学生活後半の2年間で何を研究するかをしっかりと選ぶこと。この選択が3年生以上での学びの充実につながる。

(3)キャリアデザイン(1〜2年次)
 この授業は資格取得に向けた学びを徹底することを目的とする。資格を取るためには日々の自学が大切になるため、この授業はあなた自身の自学を基本とするものだ。授業内では先生の指導のもとでさらに難しい問題を解いたり、学生が教える側に立ってレクチャーをしたりと資格取得に向けた学びを深める。

(4)専門演習(3〜4年次)
 いよいよ指導教員について、研究を進めることになる。いわゆる「ゼミ」だ。主として指導教員の研究テーマや得意とする研究手法を用いて、あなた自身が研究を進めることになる。ここでの研究が必ずしも人生設計に活きるわけではないかもしれない。でも、ここで獲得するであろう「ものの見方や考え方」、「学び方」、「仲間との協力の仕方」はあなたの一生に大いに影響を与えることになる。

(5)プロジェクト演習(3〜4年次)
 この授業では専門演習で研究していることと関連する内容を実践的、体験的に学ぶことになる。専門の学びは机上だけでなく、実践する中でより深まっていく。例えば、子どもの発達に関する研究を進めるだけでなく、実際に学童保育などに参加して子どもと接し、子どもの発達を肌感覚で理解する。つまり、研究することで子どもの発達を理解する力が高まり、体験的理解で研究が充実するという相乗効果が期待できる。


 どの授業も時間をかけて、試行錯誤を繰り返す中で学ぶ仕掛けになっている。また、本とペンを使った学びだけでも、体験的な学びだけでもなく、両方を行ったり来たりする学びの中で少しずつ理解を深め、人生を見通す力を獲得する仕組みになっている。焦ることなく、じっくりと時間をかけて人生のことを考えようではないか。次第に、あなたが進みたい行路が見えてくるはずだ。