●参加したきっかけ
以前から、海外で活躍する看護師に憧れがあり、日本で看護師として働く際に、外国人患者に対しても言葉や文化の壁を乗り越えてグローカルに看護が提供できる看護師になりたいと考えていました。
今回は、その一歩として他の国の看護を知り、グローバルな視点を持つためにこのプログラムへの参加を決意しました。
●参加したコースについて
サマープログラムでは、ミシガン大学看護学部で開講されている『Context of Care』コースを中心に参加し、ミシガン大学看護学部の学生と、私を含めた留学生たちが一緒に学びました。
課題や講義を通して患者中心のケアとは何か、患者のこれまでの経験、家族、文化、多様性などを意識したケアとは何か学びました。
また、講義はグループワークが中心で、グループワークを通じて個人の信条が看護ケアにどのような影響を与えるのかを考え、講義の最終日にはプレゼンテーションを実施しました。
●現地でのスケジュール
3週間の中で共通して、月曜日から水曜日の午前に講義がありました。
特別なスケジュールとして、1週目の初日に、ミシガン大学の大学院生に大学を一日かけて案内してもらいました。そこではバスの乗り方や大学の施設について、詳しく説明してもらいました。
休日や講義後は、プログラムの参加者とメインキャンパスの近くの町で買い物をしたりご飯を食べに行ったり、寮で課題や予習を行っていました。
寮は、シャワーや洗面所、リビングはプログラム参加者と共有でしたが、自分の部屋もあり、3週間共同生活をしながら仲を深めることができました。夜にみんなで映画を見たり、カードゲームをしたり、時には看護学生ならではの実習での苦労話をしたりと、とても有意義な時間を過ごすことができました。
●デトロイトへのフィールドワーク
サマープログラムの中には、デトロイトへのフィールドワークの時間もありました。
そこでは、デトロイト郊外にあるクリニックに訪問し、アメリカの医療制度を学ぶと共に参加者それぞれの国の医療制度について意見交換を行いました。
その後は、プログラム参加者と事前に話し合って決めた、行きたい場所を実際に観光しました。
アメリカとカナダの境にある川でクルージングをしたり、美術館やショッピングに行きました。
デトロイトは芸術の都市であるため、いたるところに美術館があったり、路上ライブを行っており、とても感性が磨かれた1日になりました。
●参加して良かったこと
このプログラムに参加して、3週間でいろんな国籍、年齢の方と出会いました。
言葉が通じず、悔しい思いをすることもありましたが諦めずジェスチャーで伝えたり、1日の終わりに、その日会話する時に分からなかったフレーズをノートに書き、同じ失敗をしないよう工夫したりと自分なりに努力して、沢山の友人をつくることができました。
講義はもちろん、友人との交流を通して、異文化理解や多様性の理解をより深めることができたことは、貴重な体験だったと思います。
●これからについて
そしてこのプログラムを通じて、看護に対する考え方が大きく変わりました。例えば、異文化背景をもつ患者さんへのアプローチについて講義中に行なったシミュレーションやディスカッションを通じて、文化的な違いが与える看護ケアに対する影響を実感しました。
また、同じ症状に対しても、患者さんの『文化』や『信念』によってケアのニーズが異なることを学び、単に医学的な知識だけでなく、患者さんの背景や価値観に対する理解が重要であることを深く理解しました。
この経験を通じて、今後は文化的背景を尊重しながら柔軟に対応できる看護師になりたいと考えています。