アクセスお問い合わせサイトマッププライバシーポリシー

人間学部

突撃!研究室訪問

Vol.11 押岡 大覚 准教授 (臨床・発達心理専攻)

研究室での取材風景
押岡大覚 准教授の紹介ページはこちら
ゼミ合宿でのひとこま
ゼミ合宿でのひとこま
アクティブな一面も
第11弾の研究室訪問は、人間心理学科 臨床・発達心理専攻の押岡 大覚(おしおか だいすけ)准教授をご紹介します。インタビュー形式でお届けします。

先生は臨床心理士としてご活躍ですが、先生のご専門について詳しくお教えいただけますか。

押岡:私の専門は、大きく分けて3つあると思っています。1つは人間性心理学、2つ目は精神分析、3つ目は発達障害です。臨床や研究の入口としては、人間性心理学、特にフォーカシングと呼ばれる領域から入りました。フォーカシングに関しては、専門家を育てるトレーナーとしての国際ライセンスを持っていて、博士論文などもこのテーマで執筆しました。
精神分析に関しては、例えば…「表と裏」、「意識と無意識」、「善と悪」…みたいな、生きとし生けるものとしての人間の二重性を認めて、それらを、言葉によって取り扱いの対象とする学問であり、臨床的な営みだと思うんです。日本では、古来より「三つ子の魂百まで。」と言われていますが、このような日本人の無意識的な普遍的心性を、浮世絵をはじめとする芸術作品や文学作品の中から読み取ることができるのではないか?と考えて研究を進めています。精神分析家の北山 修先生のご研究には、多大な影響を受けています。
そして3つ目の発達障害についてですが、私自身のこれまでの臨床経験の中で、発達障害のお子さんと出会う機会が多かったことに由来します。発達障害は「脳機能の障害」です。また、脳と身体は、組織的にも機能的にも緊密につながっています。この前提をもとに、私の発達障害に関する日常臨床では、まず、DISCO(The Diagnostic Interview for Social and Communication Disorders)というツールを用いて、一次障害としての発達障害の有無や傾向の見立てを行います。その後、必要に応じて脳のトレーニングを目的とした簡単で楽しいエクササイズを行い、対象者の機能の獲得や適応の回復をお手伝いしていきたいと考えています。


なるほど。多様な、そして興味深いご研究をされているんですね。
先生のゼミの学生さんも、そういう研究をされるんですか?

押岡:いえ、うちのゼミでは学生が取り組む研究テーマは自由に選んでもらっています。私のゼミの運営方針は「自由・自主・自立」で、研究テーマは、学生の興味・関心に基づくものであることが大切だと伝えています。なので、私の専門に当てはめるようなことはしないように指導しているんです。


それはなぜですか?

押岡:私の専門に当てはめて考えると、学生はどうしても受け身的になりますよね。学生が自分で自由に選んだテーマの場合、そのテーマに関しては私も知らないことばかりですから、私も素朴な疑問を持つことができます。学生に対して素直に質問をし、ディスカッションをすることもできるわけです。もちろん、学生が選んだテーマについて、私も勉強することになるのですが、そんなやり取りを繰り返しているうちに、学生たちは自主的に、自立して勉強や研究を進めることができるようになっていくんですよね。


研究活動を通じて、研究能力だけでなく、心理社会的な能力も成長していくんですね?

押岡:学生たちは、最初は戸惑っています。でも、研究指導だけでなく、ゼミ合宿などで、時には一緒に遊んだりもしながら、学生たちとどっぷり付き合うんです。そうすることで、少しずつそういう環境に順応・適応してくれるんですよね。遊ぶ時は遊び、やる時はやる!という感じです。


授業に関しては、先生はどんな科目を担当しているんですか?

押岡:講義課科目としては「青年心理学」や「学校心理学」を担当しています。特に「青年心理学」では、学生が今まさに生きている青年期の心のあり様をテーマとした授業をしているわけですが、なるべく乳幼児期からの発達と今の心のあり様の関係性をリンクさせながら話をしています。例えば、就職活動では、乳児期の発達課題である「基本的信頼感の獲得」、幼児期初期の「自律性の獲得」、遊戯期の「積極性の獲得」、学童期の「勤勉性の獲得」など積み上げ式である発達課題のあり様が問われているというような話をするんです。「三つ子の魂百まで。」ですし、心のあり様というのは“どこを切っても金太郎”ですから。心理学の概念言語を頭だけで理解するのではなく、学生自身の生活の中に落とし込むことで体感的に理解を深めることを意識して講義を行っています。


押岡先生のお話をお聞きしていると、多くの引き出しからいろいろなお話が出てくるので、とても興味深くお聞きすることができました。指導してもらっている学生さんたちがこの上なく羨ましく思えました。

(インタビュアー 人間心理学科 炭谷 将史 准教授)